エクセルは計算に使うソフトですが、数値データの扱いには少し癖があります。
エクセルでは、列幅に収まりきらないほどの桁数の数値を入力すると、「E+08」「E+09」…といった表記になることは良く知られています。
文字の場合だと、隣のセルが空欄の場合は、右に溢れるようにはみ出したデータもすべて見えますが、隣のセルにデータがある場合、列の幅だけしか文字データを確認することができません。
数値の場合は、セルに右詰めされますので、左に溢れるようにはみ出すわけにもいかず、かと言って文字列データのように確認できない数字があると、数値データの桁の取り違いが起こってしまいます。
そこでいわゆる指数表示形式になります。「E+08」つまり、×10の8乗を表現しています。
が、実はエクセルでは、列幅がタップリ余裕があっても、12桁以上になると、指数表示になってしまいます。
実は、カンマ表示を設定したりすると、簡単に指数表示になることを防げるのですが、表示にカンマは要らないという事もあります。
そう言う場合は、表示形式を「標準」から「数値」に変更する事で
指数表示になることを防ぐことができます。
が…、お気づきでしょうか。15桁を超えると、つまり16桁からは、末尾の数字が「0」になってしまいます。Excelは浮動小数点算術に関する標準「IEEE 754」に従っています。難しい事はよくわかりませんが、この関係で、末尾の数字が「0」になってしまうのだそうです。
これを切り抜けるには、データの先頭にアポストロフィーをつけて入力します。
セルの左端には緑の三角形が表示されますが、これは印刷されません。但しアポストロフィーを付ける事で、以下のデータが「文字」として認識されていますので、左詰めに配置されます。
勿論、右詰命令を出すことで、配置は変えることができます。

あるいは、セルの書式設定で「文字列」を指定します。

文字列に変更してあるセルに、桁数の多い数値を入力すると、あくまで文字列として入力されるため、アポストロフィーを付けた時と同様、文字列として左詰めに入力されます。
但し、書式設定を変更してしまった場合、Deleteでデータを削除した後も、「文字列」の書式が残ってしまうので、以降の事を考えると、Deleteで共に消えてしまうアポストロフィーの方が便利かとは思います。