InDesignは、画像やテキストを配置して印刷物などを製作するレイアウトソフトです。InDesign上では、必ずフレームと呼ばれる容れ物を作成して、その中に画像やテキストなどを配置する流れになっています。

その中の画像を配置するためのグラフィックフレームは、標準モードでは四角枠に大きく対角線が引かれたデザインになっています。

これが、いつの間にか中の対角線が無くなり、ただの四角枠になってしまうことがあるというご相談です。

InDesignでは左側に縦位置の「ツールパネル」が配置されているのが初期値で、このツールパネルには「T」の形状をした「文字ツール」、四角に×が描かれた「長方形フレームツール」、ただの四角の「長方形ツール」などが並んでいます。

「文字ツール」でプレーンテキストフレームを描くと、上のように内部にカーソルが出てきます。

選択状態にすると、上図のように(横書きの場合)左上から右下にかけて文字が入る始点と終点の小さな四角が表示されたり、角を編集することができる黄色い四角マークが表示されたりします。

文字を入れるフレームには「フレームグリッド」と呼ばれる原稿用紙のマス目のようなものが表示されるものもあり、テキストフレームと呼ぶときは、「プレーンテキストフレーム」と「フレームグリッド」の両方を意味しますが、この「フレームグリッド」は文字枠の特殊なものといった認識で、今回のフレームの説明からは外しておこうと思います。

「グラフィックフレーム」の場合は、上に書いたように中に対角線の斜め線が×状に入ります。

これは「長方形ツール」で描いた単なる長方形なのですが、単なる図形もしくは図形のフレームと考えられます。

一応、上から順に「テキストフレーム」「グラフィックフレーム」「長方形(フレーム)」を並べました。

実は、この3種のフレームにそれぞれ、画像を配置してみたのが上図で、何の事はない、どのフレームにも画像が配置できてしまいます。

そして、内部の画像を一旦削除してみると、上のように、すべてのフレームはグラフィックフレームの表示となってしまいます。つまり、機能としては別ではあるものの、これらのフレームはシームレス、境が非常にフレキシブルなものだと考えられます。

キチンとフレームを他の属性に変換する命令も持っています。[オブジェクト]メニューの[オブジェクトの属性]を使えば、[グラフィック][テキスト][割り当てなし]の属性を後から変更することができます。
つまり、ご相談の内容は「グラフィックフレーム」を挿入しておられたにもかかわらず、何かの拍子に(何の拍子だ? (笑))「割り当てなし」の長方形、つまりただのフレームに変わったと考えられます。但し、くどくどと説明したように、変わったところで、使いたいフレームとして使っていただくことはできますので、あまり気にしないでも良いのではないでしょうか。